まぼろしのバイアス 「人間の肉は不味過ぎて食えたもんじゃねえよ」誰か動物が呟いた彼はテントの中から豚肉と鶏肉を引っ張り出して頬張るかたわらには抵抗して打ちのめされた無力な人間がいるおそらく彼は「わたしを食べるな」と喚いたのだろうわたしたちが人間など食べるはずもないのにうわさばなしを電線にあつまるとりたちから聞いたぼくはどうぶつのことばを知っていたかれらのいうことはなぜかいつも正解なんだぼくのあたまのなかのきまった式にあてはまるんだそうしてぼくは人間なんていちばんでないと知ったすべての能力がいつわりのおうかんでそしてそんなものよろこんでいるのは今までみたなかで人間だけだったしんじつを知ってしまえばここは人間にとって くだらないばしょでしかなかったああ しぜんのうつくしさにぼくは風化してしまいたい PR